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その他あれこれ (1)

○フンデルトヴァッサー氏との出会い

 私がフンデルトヴァッサー氏の作品を初めて目にしたのは、1998年に関西生産性本部が主催した「関西経営幹部交流懇談会」の一員としてウイーンを訪問した時です。その時に氏が設計した集合住宅Hundertwasser Hausとゴミ処理場を見学しました。鮮やかな色彩と、うねるような曲線で構成された、おとぎ話の舞台のような建物には圧倒される思いでした。Hundertwasser Hausが一般の住宅として供用されているという説明を聞いて、この色彩と曲線では居住者はめまいを起しはしないだろうか、とか、私たちのような見学者が毎日ワイワイと押しかけてこれも大変だろうな、などと余計な心配をしたことを思い出します。
 その印象がまだ強く残っていた翌年(だったと思います)、西宮市の県立近代美術館(旧の建物です)で氏の展覧会が開催されました。そのタイトルが「楽園を求めて―絵画から建築へ」となっていた(展覧会の資料が手元に残っていませんので、ネットの情報により記しています)ことからも、氏との出会いは建築や都市設計の分野が最初で、絵についてはその後に画集などで観始めたという形だったように思います。
 そんな中で、氏が描いた絵を取り上げた切手(氏が切手用に描いたものも含めて)があることを知り、また氏が、メッセージを運ぶという切手の機能に大きな期待を寄せていたことも知りました。
 絵画を取り上げた切手は、小さな紙片に原画となる絵がいわば凝縮されています。美しい絵画切手を作るためには、特に凹版印刷の場合、優れた原版製作者と印刷技術が必要で、氏が言うように、切手はその国の文化のレベルを表すものだといえます。その意味で、氏の絵は、Wolfgang Seidel氏という原版製作者とオーストリアの国立印刷所というまたとない協力者を得て、小さな紙片の上で宝石のような輝き得ることになりました。
 氏の描いた絵を切手で眺めながら、ウイーンで驚きをもって観たHundertwasser Hausのことを思い出しています。