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733.A 'Spiral Tree' | |
(1974) |
この切手は、Hundertwasser氏が切手用に原画を描いた最初の切手だとされています。切手用に描かれたということは、切手の国名や金額の表示が絵の一部として描かれていることから分かります。
また、その後多くのHundertwasser氏の切手に関わることになる原版制作者のWolfgang Seidel氏との初めてのコラボ作品でもあります。
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Hundertwasser Haus |
この切手は、オーストリアで開催されたEuropaliaを記念して発行されました。Europaliaは1969年イタリアで最初に開催され、以後2年に1回、開催国を変えながら実施されている芸術祭です。1989年には日本で開催されました。
切手には、Hundertwasser氏が企画設計したウイーンにあるHundertwasser Hausが描かれています。このHundertwasser Hausは共同住宅なのですが、その設計は直線を排した独特のもので、人気の高い居住地なのだそうです。
印刷の原版はSeidel氏が製版を担当していますが、原画はHundertwasser氏ではなくAuguste Boecskoer氏(切手の左下に名前が見えます)だとされています。
切手の右上部分にCEPTと記したロゴマークが印刷されていますが、これは欧州郵便電気通信主管庁会議(Conference europeenne des administrations des postes et des telecommunications)のことです。ヨーロッパにおける郵便および電気通信に関する公共政策および規制関係を担当する機関で、1959年に設立され48か国が参加しているものです。CEPT加盟国は毎年共通のテーマを取り上げたEUROPAと記された切手を発行しています。1987の共通テーマは建築だったようですので、その趣旨にも沿った切手となっているようです。
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134.A '36 Heads' | |
(1993) |
この切手は、ウイーンで開催されたサミットを記念して発行されました。
Hundertwasser氏の作品に'99 Heads'という絵があるのですが、この切手の原画'36 Heads'はそのモチーフを引き継いで切手用に描かれたものです。その3か月後にフランスから同じ絵を使った切手が発行されましたが、フランスの方は印刷もよくなくて切手としての評価は低かったようです。
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944.D 'Blue Blues' | |||||||
(1994) |
Hudertwasser氏は、2000年2月19日に71歳で亡くなりました。
この切手は彼を追悼するために同年6月2日に発行されました。4種類の刷り色を変えた切手になっていますが、左の青い色が原画で、Hudertwasser氏が生前に4色の絵にしていたものだということです。短期間の準備でこの切手を発行するために、原版作者のWolfgang Seidel氏は毎日15時間、2週間で4色の切手からなるミニシートの原版を作り上げたと伝えられています。
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808 'Donau Meadows' | |
(1984) |
この切手はHudertwasser氏が描いたポスターによって作成されました。
切手の上部に'Hainburg'(ハインブルグ)、下部に'Die freie Natur ist unsere Freiheit'(ありのままの自然は我々の自由だ)と書かれています。Hainburgはオーストリアの南部、ドナウ川に面した町なのですが、かつてこの町に水力発電所を作る計画が持ち上がりたくさんの樹木が伐採されそうになりました。これに対して自然を保護すべきだとする運動が起こり、1984年に計画は撤回されることになりました。
このポスターはその運動を支援するためにHudertwasser氏が描いたものです。
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729. 'Spiral' | 731. 'House Tree' | 730. 'Yellow House' | 732. 'Spiral tree with Red center' | ||||
(1974) | (1974) | (1974) | (1974) |
この4枚の切手の原画は、1974年に1975年発行の'Spiral Tree'と一緒に切手用に描かれたものです。
そのうちの'Spiral Tree'だけが切手として発行され他の絵は使われなかったのですが、Hudertwasser氏の歿後に切手になったということになります。
![]() | KunstHausWien |
ウイーンアートハウス(KunstHausWien)は、1892年に建てられた建物をHudertwasser氏の設計によって改装したものです。1991年に再オープンし、建物全体がHudertwasser氏の作品を常設展示する美術館になっています。
この切手の原画はHudertwasser氏が描いたものではありませんが、印刷原版はSeidel氏が手がけたもので、彼の最後の作品だということです。